皆さんは感染症治療、得意ですか?
僕は学生の頃はもちろん、研修医になって以降もずっと苦手意識を持ち続けていました。
それはなぜだったのか、7月3日のレジデントデイで理解できたのでご紹介させていただきます。
当日ははじめに伊藤龍一先生から一般的な抗菌薬の使用方法に関してのレクチャーをしていただきました。その後西村先生から症例を提示していただき、グループに分かれて治療戦略について議論しました。
そもそも感染症は病原体、宿主、感染経路の3要素が重要となり、それぞれの情報を総合して使用する抗菌薬や治療期間などが決まっていきます。伊藤先生のレクチャーではそれぞれの抗菌薬のスペクトラムや特徴だけでなく歴史も交えて大変わかりやすく教えていただきました。
講義中に出てきたMRSAに対する治療薬の覚え方「バンコ、ダプト、リネゾリド、ST、テイコ、ミノ」は目から鱗の呪文であり、毎日寝る前に唱えようと思いました。
西村先生の症例検討会では、複数のデバイスが入った脳梗塞後の高齢者の発熱症例、2型DMのインスリン使用しており胆石、前立腺肥大既往の中年男性の発熱+悪寒戦慄症例について検討しました。
その中で、感受性がある抗菌薬を使用しても解熱を認めないとき、用量の不足、深部膿瘍、感染性心内膜炎、化膿性椎体炎、AmpC過剰産生菌の存在などが鑑別となると教えていただき、研修医時代の自分の診療で対応に困った同様の症例でも鑑別に挙げられていたらなと思いました。
講義終了時に西村先生が仰られた、「感染症は医者である以上一生相手にしていく疾患で、勉強を続ければ少しずつ対応ができるようになってきて自信がつくが、学ぶことを諦めたら一生悩み苦しむことになりますよ。」という言葉を胸に、自信を持って治療ができるようになるその日まで諦めずに学び続けようと思いました。
文責 S1 青山幸