5月22日のレジデイの様子をお伝えます。
診断とは患者に起こっている現象を自分が持ち合わせている医学知識と照らし合わせ、正確に解釈していく作業だと私は認識しています。このように言葉で言うのは簡単ですが、私たち総合診療科医は臓器横断的に診る科であり、マルチプロブレムの患者を診察することが多いため、正しい診断を行うためには、莫大な知識・労力が必要になってきます。
マルチプロブレム・診断困難例の患者を実際に受け持つことも多く、専攻医1年目である現在は、何から手をつければいいのかわからない。診断プロセスの過程が自分の中で不明瞭。と感じることも多くありました。また、そもそも知識不足で鑑別診断すら浮かばないということも恥ずかしながらあります。
今回のレジデイでは、症例が提示され、それに対して実際に臨床診断推論をしていくというものでした。ワークショップ→野口先生の解説という過程を繰り返すことで、実際に主治医になった気分で臨床診断推論を行いながらも、直後には野口先生からのフィードバックがいただける非常に効率的な学びの時間を過ごすことができました。
総合診療の初学者である私はとにかく多くのプロブレムを挙げ、一つずつ調べて鑑別を挙げていく過程を全患者に行っていましたが、とても非効率的であることがわかりました。患者が訴える多数の主訴にも特異的なものと非特異的なものがある場合、時間が限られる医療現場においては、全ての訴えを一から調べて検査・鑑別疾患を挙げるのではなく、まずは特異的なものをピックアップし、追加検査・鑑別を挙げるということが診断への近道になるとワークショップで実感できました。
総合診療科医として働き始めて約2ヶ月と知識も経験もまだまだですが、今回のレジデイで学んだ臨書診断推論のやり方を、今後の診療に活かしていきたいと思います。
文責 S1 國枝